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振動試験

図表

表1 実施可能な試験の種類
表2 複合試験
表3 取付面の種類
表4 振動試験の主な規格

図1a 振動方向が垂直方向の場合
図1b 振動方向が水平方向の場合
図2 標準プレート治具および振動用プレート治具の寸法
図3 立方体取付面の外観
図4 立方体取付面の寸法
図6 立方体取付面の試験品搭載可能領域
図5 大型テーブル取付面の外観
図6 大型テーブル取付面の寸法
図7 中型テーブル取付面の外観
図8 中型テーブル取付面の寸法
図9 水平テーブル取付面の外観
図10 水平テーブル取付面の寸法

図面

図2 標準プレート治具および振動用プレート治具の寸法
図4 立方体取付面の寸法
図6 大型テーブル取付面の寸法
図8 中型テーブル取付面の寸法
図10 水平テーブル取付面の寸法

1.振動試験の概要

振動試験は、製品や部品に振動による加速度を作用させ、所定の性能を保つかどうか確認する試験です。

試験装置は、IMV株式会社 EM2305です。

1.1 試験可能な範囲 

実施可能な試験の種類を表1、表2に示します。

表1 実施可能な試験の種類
試験種別波形試験内容加振条件の例
正弦波振動試験 正弦波形 試験品に正弦波による振動を加える 固定周波数による試験 振動数10Hz
加速度1G
各方向1時間
周波数掃引試験 振動数範囲 5~55Hz
加速度 1G
掃引時間1分
ランダム試験 ランダム波形 試験品に周波数スペクトルで表される振動を加える。
サインオンランダム波、ランダムオンランダム波試験も可能。
10Hz 0.021G2/Hz
15Hz 0.001G2/Hz
20Hz 0.011G2/Hz
・・・・・
バンプ試験 衝撃波形 試験品にショック波を加える 10G 6msec
任意波形試験 任意波形 試験品に任意の振動波形を加える 時間軸任意波形
表2 複合試験
試験種別温度範囲試験内容
複合試験
(温度と振動の複合)
-70~150℃ 指定の温度条件下で表1の振動試験を行う(垂直方向のみ)。

1.2 所要時間

振動試験機を運転する時間以外に、初期調整、試験品の取り付け取り外し、事務処理等による時間がかかります。

1.3 試験実施証明書(有料)

ご希望により、試験条件を証明する「試験実施証明書」を発行いたします。

  1. 発行手数料については、1.4 手数料をご覧下さい。
  2. 試験実施時にお申し付け下さい。
  3. 作成に若干のお時間を頂き、後日郵送させていただきます。郵送代をご負担下さい。
  4. 試験実施証明書は、試験の内容を証明する唯一の書類であり、本書以外の文書は作成いたしません。

1.4 手数料

試験手数料は、使用時間(端数切り上げ)に手数料単価(5,600円/時。ただし表2の複合試験の場合は、7,200円/時となります)を乗じます。端数は切り上げます。例えば6時間10分振動試験を行った場合は、手数料単価に7(時間)を乗じます。

試験実施証明書発行手数料は、一通当たり600円です。また、郵送のためのレターパックライトをご用意下さい。

2.試験機の動作

  1. この試験機では、一軸方向の振動試験を行いますが、振動方向を水平、あるいは垂直に切り替える事が出来ます。
  2. 試験機の取付面に試験品を取り付けて振動試験を行います。
振動方向が垂直方向の場合
図1a 振動方向が垂直方向の場合
振動方向が水平方向の場合
図1b 振動方向が水平方向の場合

3.試験品の固定方法

3.1 取付面の概要

試験品の取付のために、治具またはゴムバンドをご用意下さい。 表3に取付面の種類を示します。

表3 取付面の種類(試験できること保証するものではありません)
試験機側取付方法試験品振動数範囲衝撃試験機との兼用
対象最大寸法mm
(W × H × t)
最大重量
立方体取付面
標準プレート治具による 標準(衝撃試験と兼用可能 150x150x50 約5kg 3-2000Hz
振動用プレート治具による 標準 200x200x50 約10kg 3-2000Hz ×
大型テーブル取付面
専用治具またはゴムバンドによる 大物、またはゴムバンドで固定する必要がある試験品 600x600x600 約80kg 3-450Hz ×
中型テーブル取付面
専用治具またはゴムバンドによる 中型の試験品、または
ゴムバンドで固定する必要がある試験品
400x400x400 約80kg 3-600Hz ×
L字型治具取付面
専用治具 小型・中型の試験品、恒温層でXY方向の試験を実施する場合 300x300x600 約80kg 3-500Hz ×
水平テーブル取付面
専用治具またはゴムバンドによる 大物、またはゴムバンドで固定する必要がある試験品 600x600x600 約80kg 3-2000Hz ×

*1 専用治具:標準プレート治具、振動用プレート治具以外の治具
*2 ゴムバンドで試験品を固定する場合は、600×600×600以内として下さい。
*3 試験品の構造や重量により 制限があります。詳しくは振動試験担当者にお尋ね下さい。

3.2 標準プレート治具または振動用プレート治具による固定

3.2.1 標準プレート治具、振動用プレート治具について

プレート状の治具をお作りいただいて、これに試験品を固定します。

3.2.2 標準プレート治具または振動用プレート治具の製作と試験品の取り付け

  1. 図2の寸法で治具を作成し、試験品搭載可能領域内に試験品を固定してください。
  2. 試験方向をご指示ください。
  3. 試験すべき方向を治具に明記してください。
  4. 標準プレート治具および振動用プレート治具は、立方体取付面に取り付けて試験を行います。
標準プレート治具および振動用プレート治具の寸法
図2 標準プレート治具および振動用プレート治具の寸法
プレート幅
 衝撃試験機との共用
標準プレート治具 150 75
振動用プレート治具 200 100 ×

プレート厚さの目安
材質厚さの目安(mm)
5~10mm
アルミニウム 10~20mm
ベークライト 10~20mm

必要な厚さは、試験品の形状、重さ、加速度等に依存します。できるだけ厚い材料のご使用をお勧めします。

3.3 標準プレート治具および振動用プレート治具が使えない場合(立会試験のみ)

試験品の大きさや形状等により、標準プレート治具および振動用プレート治具が使用できない場合の固定方法について説明します。

3.3.1 立方体取付面へ専用治具を介して試験品を固定する場合

小型の試験品を取り付けて試験する場合に使います。この場合は立会試験のみとなります

  1. M6のねじ穴が60mmピッチで8カ所あります。
  2. ねじ穴の配置は、立方体取付面の下面を除く5面とも共通です。
  3. この面に、お作りいただく専用治具を介して、試験品を固定します。
立方体取付面の外観
図3 立方体取付面の外観
立方体取付面の寸法
図4 立方体取付面の寸法
立方体取付面用治具
  1. 専用治具を、立方体取付面の側面に取り付ける場合は、専用治具が立方体取付面の下にはみ出さない寸法として下さい。上面に取り付ける場合でも、立方体取付面からはみ出しますと、試験の信頼性が低下する可能性があります。
  2. 立方体取付面に複数の専用治具を取り付ける場合は、お互いに干渉しないような寸法としてください。
  3. 固定に必要なねじをご用意ください。

3.3.2 大型テーブル取付面及び中型テーブル取付面へ専用治具またはゴムバンドを介して試験品を固定する場合

大きな試験品を取り付けて垂直方向に加振する場合、およびゴムバンド等で試験品を固定する必要がある場合には、大型テーブル取付面または中型テーブル取付面を利用します。

大型テーブル取付面の外観
図5 大型テーブル取付面の外観
大型テーブル用治具
  1. 試験品を含め600x600mm以下としてください。
  2. 固定に必要なねじをご用意ください(突き出し深さ10mm以上20mm以下)。
  3. 試験品と治具を含む最大重量は約80kgです。
  4. 試験品が梱包箱等の場合には、ゴムバンドで固定する事も出来ますが、固定する力が弱いため、試験の信頼性が低下する可能性があります。なお、ゴムバンドはご用意下さい。
図6 大型テーブル取付面の寸法
中型テーブル取付面の外観
図7 中型テーブル取付面の外観
中型テーブル用治具
  1. 試験品を含め400x400mm以下としてください。
  2. 固定に必要なねじをご用意ください(突き出し深さ10mm以上20mm以下)。
  3. 試験品と治具を含む最大重量は約80kgです。
  4. 試験品が梱包箱等の場合には、ゴムバンドで固定する事も出来ますが、固定する力が弱いため、試験の信頼性が低下する可能性があります。なお、ゴムバンドはご用意下さい。
中型テーブル取付面の寸法
図8 中型テーブル取付面の寸法

3.3.3 水平テーブル取付面へ専用治具を介して固定する場合

大きな試験品を取り付けて水平方向に加振する場合、水平テーブル取付面を利用します。

水平テーブル取付面の外観
図9 水平テーブル取付面の外観
水平テーブル取付面の寸法
図10 水平テーブル取付面の寸法
水平テーブル用治具
  1. 試験品を含め600x600mm以下としてください。
  2. 固定に必要なねじまたはゴムバンドをご用意ください(突き出し深さ10mm以上15mm以下)。
  3. 試験品と治具を含む最大重量は約80kgです。

4.振動試験の主な規格

振動試験の主な規格を表4に示します。表4に掲載した規格の試験は、本試験装置によりそのほとんどが実施可能です(一部条件によっては実施できないものがあります)。

表4 振動試験の主な規格
規格番号規格名称波形
JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 正弦波形
JIS E 4031 鉄道車両用品-振動及び衝撃試験方法 ランダム波形、衝撃波形
JIS Z0232 包装貨物-振動試験方法 ランダム波形
JIS C 60068-2-6 環境試験方法-電気・電子-第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 正弦波形
JISC60068-2-64 環境試験方法-電気・電子-第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) ランダム波形
JISC60068-2-27 環境試験方法-電気・電子-第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 衝撃波形